先輩企業から学ぶ海外進出失敗事例集

海外進出の失敗事例には、日本の常識では想定しにくいトラブル要因があり、失敗回避の参考にしましょう。
海外進出で
失敗する要因とは?
海外進出の失敗は、日本国内の新規事業でもあり得るケースだけでなく、日本のビジネスにおける常識からは考えにくい要因で失敗するケースが少なくありません。例えば、事前調査が不十分で現地でのニーズを見誤ったという失敗なら、海外進出の経験がないビジネスパーソンにも想像がつくでしょう。ところが、現地の常識を正しく認識しておかないと、容易にトラブルとなります。
現地で合弁会社を設立したパートナー企業に裏切られたり、現地工場でストライキを起こされたり、現地の法律や商習慣に精通していないとトラブルの予見すらできません。さらに、政変や自然災害などカントリーリスクも海外進出の失敗に関わる要素として注意が必要です。
よくある海外進出失敗事例
海外進出の失敗事例をリサーチして、事前の準備不足や認識の甘さに起因するケースを4例取り上げています。
文化の違いへの適応ミス
中国工場からの撤退を決めた後に、現地従業員が起こしたストライキを解決するため、多額の補償金を支払ったソニーのケースをピックアップ。雇用に関する法令・制度もさることながら、労使交渉に対する考え方が日本とは大きく異なる点が失敗要因ともいえる事例です。
こうした文化の違いによる海外進出の失敗を回避するための方法として、事前準備段階でローカルの商習慣や働き方など詳細に調べ尽くすことや、リスク回避の対処方法なども紹介します。
カントリーリスクの見誤りミス
カントリーリスクとは何か、政治的リスク・経済的リスク・社会的リスク・自然リスクの4要素に分けて解説します。
失敗事例では、中国で最初は50年の使用権が認められた土地から工場を退去させられたケースと、香港での飲食店運営でパートナー企業選びを間違ったケースを紹介。日本の一民間企業が事前には予見しにくいトラブルともいえる事例として参考になるでしょう。
カントリーリスクへの対策として、リスク調査機関や貿易保険・為替予約の説明もご覧ください。
事前の競合・
マーケティング調査不足
失敗事例は、積極的な海外企業のM&A戦略で巨額の特別損失を余儀なくされたキリンホールディングスのケース。他にも、競合他社が中国に進出しているからという浅い理由で中国に進出して失敗した製造業の事例と、タイでのマーケティングリサーチが不十分で販路拡大に失敗したシステムキッチンメーカーの事例を紹介します。
海外進出の事前調査を徹底的に行うためにも、自社調査だけでなく活用すべき支援機関や民間調査会社についても説明します。
適切なパートナーの選定ミス
現地企業との関係がうまくいかず、失敗した事例を2つ取り上げています。
小売チェーンの運営企業は、合弁会社の現地パートナー企業が仕入先を勝手に関連会社に変更するなどハンドリングが効かなくなった結果、安く株を譲渡せざるを得なくなったケース。もうひとつは、日本のメーカーが販売総代理店契約を結んだ現地企業が無断で類似品を製造販売、販路をとられたケース。
海外進出で成功するためにも現地で信頼できるパートナー企業を見つけることは重要で、その探し方も説明します。
パートナー選びは
現地を熟知した支援企業に
海外進出して、日系企業が単独で現地での事業を完結させるのは無理。現地企業との合弁で法人設立したり、仕入先や販路の確保で現地企業と契約することも当然ある。
そうした現地パートナー選びで、日本国内と大きなギャップがあるのは、当初信頼できた企業が後になって平気で裏切り行為をすること。違法行為というわけではなく、パートナー企業同士でも末永く共存共栄を図るというより、隙あらば相手を出し抜くぞという強かさがあるんだ。だからこそ、現地パートナー選びは現地に拠点があってリアルな商習慣を熟知した支援企業にサポートしてもらおう!
